クレープ販売キッチンカーの開業方法とは？初期費用や設備、年収から儲けるコツまで

キッチンカー営業は、自分の飲食店を低予算・省スペースで持つことができるビジネスです。

キッチンカーで提供するおすすめのメニューの一つは、クレープ。クレープは幅広い世代に人気のスイーツのため、キッチンカーでのクレープ屋は需要を見込めるでしょう。では、キッチンカーでクレープ屋を開業するには、どのような準備が必要になるでしょうか？車やクレープを焼く機械などの設備だけではなく、関係各所への申請など踏まなくてはならない手順があります。

こちらでは、キッチンカーでのクレープ屋開業までの流れを解説します。

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開業前にチェックしておきたいことがいくつかあります。まずは、キッチンカーでのクレープ販売のメリットやデメリット、利益を出すポイントなどを押さえておきましょう。

キッチンカーメニューとしてクレープを選ぶメリット

キッチンカーで提供される代表的なメニューであるクレープを提供するメリットを7つ紹介します。

1. 定番メニューの特別感

クレープは広く知られている定番メニューですが、家庭での作り方や保存が難しく、外出時にしか味わえない特別感があります。キッチンカーでは、このような非日常感を提供することで顧客の関心を引き付けることができます。普段は手に入らない特別なおやつとして、多くの人々に親しまれています。この特別感は、イベントやショッピングモールなど、ちょっとした非日常の場でキッチンカーを利用する顧客にとって魅力的です。

2. 安定した価格設定と高い収益性

クレープの価格は一般的に安定しており、さまざまなトッピングオプションを提供することで単価を容易に上げることができます。原価が低いため、他の飲食メニューよりも高い利益率を見込むことができるのです。例えば、基本のクレープにフルーツやクリームを加えることで、単価を500円から1000円以上にすることも可能です。これは、コストパフォーマンスが高く、利益を最大化する上で非常に効果的な戦略です。

3. 年中無休の需要

クレープは季節に左右されず、常に一定の需要があります。これにより、キッチンカー経営者は年間を通じて安定した売り上げを見込むことができ、季節ごとのメニュー変更の手間も省けます。夏には冷たいアイスクリームをトッピングしたクレープ、冬にはホットチョコレートや温かいフルーツを加えたクレープなど、季節ごとのバリエーションを提供することも可能です。これにより、1年中安定して顧客を惹きつけることができます。

4. イベントでの高い人気

イベントやお祭りでは、特に子どもや若いカップルなどの来場者にクレープが人気です。これにより、特に週末のイベント出店時に高い売り上げを期待できます。クレープは手軽に食べられ、移動しながらでも楽しむことができるため、イベント会場での需要が非常に高いです。また、色とりどりのトッピングは視覚的にも魅力的で、特にインスタグラムなどのSNSで写真を共有する若年層にとっては、注目を集めるアイテムです。

5. メニューの多様性

クレープはスイーツとしてだけでなく、おかず系の具材を使用してランチや軽食メニューとしても提供できます。この多様性により、幅広い客層にアピールすることができます。例えば、ランチタイムにはハムとチーズ、夕方には甘いチョコレートとフルーツのクレープといったように、時間帯に合わせてメニューを変えることができます。これにより、一日中異なる顧客のニーズに応えることが可能となります。

6. 単価アップのためのアレンジ可能性

基本のメニューに様々なトッピングやアレンジを加えることで、単価を容易に上げることが可能です。この柔軟性は、競合との差別化や売上向上に寄与します。例えば、季節限定のフルーツや特別なソースを使った限定メニューを提供することで、顧客の関心を引き、単価を高めることができます。また、限定メニューはSNSでの宣伝効果も高く、新しい顧客を引き付ける効果も期待できます。

7. 買取出店での安定した収入

クレープは「100食で8万円」といった条件で出店する「買取出店」での需要も高く、固定報酬での出店機会が多いです。これは、特定のイベントや場所で確実な収入を得ることができる大きな利点です。例えば、住宅展示場や携帯ショップなどのイベントで、クレープのキッチンカーが特定の個数の保証を受けて出店することで、売上の不確実性を減らすことができます。これは、特に新しいキッチンカー事業者にとって重要な安定した収入源となります。

キッチンカーメニューとしてクレープを選ぶデメリット

キッチンカーでのクレープ販売は多くの利点がある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、その代表的なデメリットとそれに対する対応策を詳しく解説します。

1. 技術が必要な調理プロセス

クレープの調理は見た目以上に技術が必要です。特に生地作りや具材の包み方は、慣れと練習が必須です。これは、調理が比較的簡単な他のメニューに比べて、大きなデメリットと言えます。この問題に対処するには、技術を習得するための時間を考慮したスタッフの採用や、継続的な研修が必要です。

2. 提供スピードの限界

クレープの提供スピードには限界があり、特に行列ができる時間帯には顧客を失うリスクがあります。生地をあらかじめ準備しておくことは可能ですが、クレープは注文に応じて一つずつ作る必要があるため、スピードアップには限界があります。この問題に対する対策としては、キッチンスペースの動線を効率化し、スピードアップを図ることが考えられます。

3. 対象客層の限定性

クレープは特に子供や若い女性に人気がありますが、これにより客層が限定されるというデメリットもあります。家族連れや若い女性が多い場所では売り上げが伸びますが、男性や高齢者が多い場所では売り上げが伸び悩む可能性があります。この問題を解決するためには、クレープを好む客層が集まる場所での出店を意識することが重要です。

4. 競合との出店場所争い

クレープはキッチンカーで人気のメニューであるため、同じ場所に出店しようとする競合が多いという問題があります。これにより、出店場所を確保することが難しくなることがあります。この問題に対処するには、柔軟な出店戦略と、競合と差別化できる独自のメニューやサービスの提供が重要となります。

5. メニューの多様性と更新の必要性

クレープは人気がありますが、同じメニューを続けることで顧客の飽きを招く可能性があります。これは長期的な売り上げに影響を及ぼす可能性があるため、メニューの多様性や定期的な更新が必要です。季節ごとの限定メニューや新しいフレーバーの導入など、顧客の興味を引き続ける工夫が求められます。

以上の点を踏まえると、キッチンカーでのクレープ販売は計画的な運営と継続的な工夫が必要であることがわかります。これらのデメリットに対応し、効果的に運営することで、クレープ販売の成功につなげることができるでしょう。

クレープ屋におすすめのキッチンカーの選び方

クレープ屋のキッチンカー選びは、お店の顔ともいえる大切な部分です。初めてキッチンカーを選ばれる際には、特に心に留めておくべきポイントがいくつかありますので、それらをご案内します。

サイズと機能性のバランスについて

クレープ屋としてお客様に喜ばれるためには、ちょうど良いサイズと機能性を持ったキッチンカーを選ぶことが大切です。1.0t普通車トラックや1.5t普通車トラックなどの普通車ベースのキッチンカーは、軽トラックサイズのものよりもたくさんの設備を搭載でき、作業もしやすいです。

車両の耐久性と信頼性に注目

キッチンカーは移動販売の大切な資産ですから、耐久性と信頼性には特に注意が必要です。普通車ベースのキッチンカーは、軽トラックや軽バンベースのものに比べて丈夫で、長い目で見るとコストパフォーマンスも良いですよ。

作業環境の快適さを大切に

立って快適に作業ができるスペースは、キッチンカーで働く上で非常に重要です。軽バンやハイエースバンを改造したキッチンカーは座って作業することが多く、長時間の営業では体に負担がかかりがちです。普通車ベースのキッチンカーなら、広々とした作業スペースで立って作業できるので、一日中快適にお仕事ができますよ。

保健所の基準をクリアしよう

保健所の基準を満たすキッチンカーを選ぶことは、営業許可を得るためにも大切なことです。普通車ベースのキッチンカーは、サイズと設備の面で保健所の基準をクリアしやすいんです。

中古キッチンカーの検討も慎重に

初期費用を抑えるために中古キッチンカーを検討されることもあるかもしれませんが、車の状態や設備の価値をしっかり見極める必要があります。専門的な知識が求められるので、新品の購入を検討されるか、信頼できるプロの意見を参考にされることをお勧めします。

キッチンカー選びについてのまとめ

クレープ屋のキッチンカー選びは、お店の成功に直結する大切な決断です。サイズ、機能性、耐久性、作業環境、保健所の基準、中古車の検討など、いろいろな要素を慎重に考え、最適なキッチンカーを見つけることが大切です。普通車ベースのキッチンカーはこれらの要素をバランス良く備えており、クレープ屋の夢を実現するための賢い選択になるでしょう。

キッチンカーに合ったクレープ焼き器の選び方

キッチンカーでクレープを調理するには、「クレープ焼き器」が中心となります。この焼き器には大きく分けて「ガス式」と「電気式」の二種類があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。

1. ガス式クレープ焼き器

ガス式のメリットは、電気式に比べて本体価格が安く、火力が強いため、連続してクレープ生地を焼くことができる点です。

一方で、デメリットとしては、温度管理が難しく、特に初心者には火加減を調節するのが難しいことが挙げられます。

また、夏場はキッチンスペースの温度が上がり、熱中症の危険もあります。火気使用禁止の施設内での出店はできない点も注意が必要です。

2. 電気式クレープ焼き器

電気式のメリットは、温度設定が可能で、温度調整がしやすいことです。夏場もキッチンスペースが過熱しにくいため、作業環境が快適に保たれます。火気を使わないため、屋内施設でも出店が可能です。

しかし、デメリットとしては、ガス式に比べて本体価格が高いこと、また連続して焼く場合、鉄板温度が下がりやすくなることがあります。さらに、電気使用量が大きいため、出店場所によっては電力容量に注意が必要です。

3. 鉄板の直径と厚さ

クレープ焼き器に設置する鉄板は、厚さと直径が重要です。分厚い鉄板は温度を一定に保ちやすく、クレープ生地を早く焼くことができます。目安として、鉄板は厚さ6mm以上を選ぶことが推奨されています。直径に関しては、360mm、400mm、410mmが一般的です。キッチンカーのスペースに合わせて選び、初めてクレープを販売する場合は、400mmまたは410mmの鉄板が選ばれることが多いです。

キッチンカーでのクレープ販売に必要なその他の道具

クレープ生地を美味しく、見栄え良く提供するためには、「クレープ用トンボ」と「スパチュラ」が不可欠です。

トンボ

トンボは、鉄板にのせた生地を素早く均一の厚さで広げるために使用します。適度な重さがあるものが使いやすいとされています。

スパチュラ

スパチュラは、焼きあがったクレープ生地をひっくり返す際に使用し、刃のサイズをクレープ生地・鉄板のサイズに合わせることで、作業の効率が向上します。

キッチンカーでのクレープ販売には、これらの基本的な設備と器具が不可欠です。適切な設備を整えることで、お客様に美味しいクレープを提供できるだけでなく、作業の効率も向上します。クレープ焼き器の選択から、鉄板の厚さ、その他の調理器具に至るまで、慎重な検討と準備が求められます。

キッチンカーでクレープを販売するのに必要な資格はある？

開業に必要な資格と許可については、以下の記事でまとめていますので参考にしてください！

キッチンカーでのクレープ屋開業に必要な初期費用・維持費用の目安

以下の表はキッチンカーでのクレープ開業に必要な費用の目安をまとめたものです。この表は目安であり、実際の費用は地域や条件によって異なる場合があります。

キッチンカーでのクレープ販売における年収・売上・利益はどのくらい？

年間売上の試算によると、土日と平日の売上合計は約1,261万9,400円です。この売上から経費を差し引いた後の年間利益は約630万9,640円（月収約52万4,970円）となります。ただし、これは試算であり、実際の運営では数字が異なる可能性があります。しかし、これらの数字から分かるように、クレープキッチンカーは年間で600万円以上の利益を得る可能性があります。

キッチンカーでのクレープ販売の収益性は、立地条件、メニューの多様性、サービスの質などに大きく依存します。季節や天候、周辺イベントの影響もあり、売上は変動します。客単価や来客数を増やすことで、売上と利益をさらに伸ばすことが可能です。

キッチンカーでのクレープ販売で儲けるコツとは

1. 生地とトッピングへのこだわり

クレープのおいしさは、生地とトッピングの良さに大きく左右されます。例えば、普通の小麦粉の代わりに国産小麦や米粉を使うと、一味違う味わいが楽しめますし、見た目にもこだわって、ピンク色の食紅を混ぜた生地を用意すると、お客様の目を引くこと間違いなしです。また、トッピングには地元産のフルーツを使用したり、キャラクターや動物の形をしたデコレーションを施すなど、他とは一線を画す工夫が大切です。これらの特徴は、看板やタペストリーで分かりやすく伝えることが大切です。

2. 対象客層を考慮した外装の工夫

キッチンカーの外観は、特に子どもや若い女性の目を惹くように、ピンクやパステルカラーを基調とすると良いでしょう。予算の関係で車体の塗装が難しい場合は、これらの色を基調にしたのぼりやタペストリーで代用することも一つの手です。カラフルで目を引く外装は、通りがかりのお客様の興味をそそり、足を運んでいただくきっかけになります。

3. SNS映えするクレープの提供

お客様が購入したクレープをSNSに投稿してくださることは、宣伝効果にもつながります。そのため、見た目にも魅力的なクレープを提供することが大切です。カラフルなフルーツや豊富な生クリームを使って、写真映えするメニューを考えてみましょう。また、毎週決まった場所で定期的に出店することで、SNSを通じて新しいお客様にも足を運んでいただきやすくなります。

4. 基本的な運営戦略の徹底

キッチンカーでのビジネス成功のためには、基本となる運営戦略を忘れずに。とくに、集客力の高い場所での出店と、目を引く外装での呼び込みは重要です。定期的な出店は、リピーターを増やすためにも効果的。また、キッチンカーそのものやのぼり、看板などを使って、クレープの魅力を一目で伝えられるよう工夫してみてください。お客様の目に留まることが、新しいお客様を迎える第一歩となります。

クレープのキッチンカーにおすすめの出店場所はどこ？

大型のお祭りやフェスは来客数が多く、売上が大きくなる可能性があります。特に大型イベントでは、出店料が高額ですが、集客力が抜群なため、売り上げが出店料を大きく上回ることも珍しくありません。ただ、売れなかった場合は食材ロス、アルバイトの人件費といったリスクも。

マルシェやフリーマーケットは出店料が比較的安価で、一人でも運営が可能です。こうした場所では周りの出店者とのつながりも生まれやすくおすすめです。

また、スーパーマーケット・ドラッグストア・ホームセンターなどのお店、パチンコ店やゲームセンターなどのアミューズメント施設、大学キャンパス、住宅展示場・携帯ショップ・カーディーラーなどのイベントもおすすめです。

クレープのキッチンカーの出店場所を決める際のポイント

クレープのキッチンカーに最適な出店場所を選ぶ際のポイントは、その場所の集客力と出店料、顧客層の理解です。

大型のお祭りやフェスは集客が見込める一方で出店料が高くなることもあるため、売上とコストを慎重に考慮する必要があります。

対照的に、マルシェやフリマは出店料が比較的低く、少人数でも対応可能ですので、低リスクで始めやすいです。

大学キャンパスは学生が主な客層で、低価格でボリュームのあるメニューが求められます。

また、住宅展示場や携帯ショップ、カーディーラーでのイベントは、特定の企画に合わせた出店が可能で、前払いでのクレープ購入が保証されるため、安定した売上が見込めます。

各出店場所の特性を理解し、クレープのキッチンカーに適した戦略を練ることが成功への鍵です。

【成功事例】人気のクレープのキッチンカー6選

1. マリオンクレープ

マリオンクレープのキッチンカーは、日本で人気のクレープブランド「マリオンクレープ」の移動販売車です。甘いクレープからおかず系のクレープまで、豊富なメニューが特徴です。新鮮なフルーツや生クリームを使ったスイーツ系や、野菜や肉を使った食事系のクレープも提供しており、幅広い層に愛されています。鮮やかなデザインのキッチンカーで、イベントや街中で気軽に楽しめる点も魅力です。

2. パレット

美味しいデザート、特にクレープを販売するキッチンカーです。可愛らしさを重視したデザインが特徴で、丸みのあるフォルムと柔らかな色合いが目を引きます。川口ハイウェイオアシス、セブンタウン小豆沢、川口グリーンセンターなど、地域の人気スポットに出店中です。

3. 697KITCHEN

697KITCHEN(ろくなキッチン)は岡山県を拠点に活動しているキッチンカーです。フルーツとクリームがたっぷりのクレープで、季節限定のメニューも必見です。

4. しろのはち。

しろのはち。は、関東キッチンカーNo.1決定戦での素晴らしい実績を持つ、白いクレープ専門店です。2022年の第一回大会で優勝し、2023年の第二回大会では準優勝を果たしました。千葉、茨城、東京、群馬など、幅広い地域で出店しています。

5. スイーツヒーロー

Sweets HEROは、大阪を拠点に全国各地で活躍する移動販売専門のクレープ・スイーツ店です。一番人気は職人が丁寧に焼き上げるもちもち食感の生地と、甘すぎず後味が優しいクリームがたっぷり入ったクレープ。また、ワッフルやタピオカドリンク、かき氷など、豊富なスイーツメニューも楽しめます。

6. MOGUMOGU

MOGUMOGUは、米粉と豆乳を使ったヘルシーなクレープ専門店です。出店可能地域は、栃木県全域、茨城県（ただし水戸市を除く）、埼玉県全域、東京都全域です。

まとめ

今回は、キッチンカーでのクレープや開業の流れをご紹介しました。キッチンカーのクレープ屋開業まではさまざまな手続きがあり、開業資金も必要となるため準備を万全にしておくことが重要です。

またそれ以上に大切なことは、開業したクレープ屋を維持することです。経費管理の感覚や利益を出す工夫など、多くのことを身に着けていく必要があります。ビジョンを明確にし、キッチンカーのクレープ屋開業をスムーズに進めていきましょう。

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執筆者：Mellow編集部

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