キッチンカーの廃業率は飲食業で5.6%(中小企業庁)。2,700名超えの開業支援実績を持つMellowが、失敗する主な原因8つと廃業を防ぐための具体的な対策を2026年最新版で解説します。
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キッチンカーは廃業率が高い!
コロナ禍において3密を避けられる飲食サービスとして注目を集めたキッチンカーですが、飲食サービス業全体は、全業種の中でも比較的廃業率が高い業態と言われています。2022年の中小企業庁の調査によれば、飲食サービス業(宿泊業を含む)の廃業率は全業種の中で最も高い5.6%となっています。また一方で開業率も17.0%と最も高く、新陳代謝の早い業界であることがわかります。
このように、飲食サービス業は参入と退出の動きが活発であり、キッチンカーもその例外ではありません。せっかく開業しても、事業が軌道に乗らず撤退を選ばざるを得ないケースも少なくないため、開業後に失敗しないためには、開業前の入念な準備が重要になります。
キッチンカー(移動販売)で廃業・失敗する主な原因と「やめとけ」と言われる理由
キッチンカーの平均年収は約700〜800万円という情報がよく見受けられます。ですが、この数字は年収1,000万円以上の人たちが平均を上げており、失敗すれば赤字になる場合も。キッチンカーで失敗する主な原因を見てみましょう。
耐久性に問題があるキッチンカーで開業してしまった
初期投資を落とそうと安いキッチンカーを購入してしまい、故障や廃車になってしまうケースがよくあります。車両の購入の際には「本当に長く使える車なのか」といった目線が必要です。初期投資は安いに越したことはありませんが、営業ができない状態になってしまっては元も子もありません。また、保健所の営業許可に通る仕様でなければ再度改造が必要になり、さらにお金が必要になる場合も。他の地域で営業したくなった時も、その地域での営業許可の仕様を満たさず、営業できない場合もあるため確認が必要です。
出店場所を確保できない
出店場所が見つからなければ出店もできません。オフィス街で飲食店よりお客さんの方が多いような人気の場所はすでに埋まっていて、なかなか空かないのが現状です。出店料として売り上げから10〜15%を支払う場合が多く、運営側も実績のある店舗を選びがち。どんなに早く動いてもライバルの店舗に負けてしまうこともあり、応募制の場合も人気の場所は応募者が殺到します。
利益率が低い
キッチンカーは客単価が1,000円以下の商品がほとんどで、固定店舗と異なり、アルコール等の利益率の高い商品で勝負することができません。十分な売上をあげて利益を得るためには、客単価が低ければ低いほど多くの商品を販売しなければなりませんが、ランチタイムなど一定の時間内での販売にはリミットがあり、集客が追いつかなければ十分な売上が得られません。
また、車載スペースにも限りがあるため、仕込量が足りなくても十分な売上が得られません。さらに、食材を安価で手に入れられるルートが見つからなければ、赤字につながってしまう場合もあります。ありがちなのは、食材にこだわるあまり、ブランド食材や希少価値の高いものを使うことです。食材にこだわるのはよいことですが、原価率が高くなっては収益が少なくなってしまいます。原価をかける部分と原価を下げる部分のバランスを意識しましょう。
加えて、フランチャイズへの加盟することで、簡単にキッチンカーを立ち上げる方法があります。出店場所を紹介してもらえたり、初心者にもわかりやすいサポートを受けられたりしますが、売上に応じたロイヤリティー(販売手数料)を払う必要があり、これが契約内容によっては高くついてしまう場合もあるため、ロイヤリティー支払前の利益率と比較し、払い続けられる金額なのかどうか、契約内容をよく確認しておきましょう。
イベント出店で収入が安定しない
イベントを中心に出店している場合、収入が安定せず経営を続けられなくなることもあります。イベントはたいてい週末のため、平日の出店先を見つけられない限り、安定した収入を得るのは難しいでしょう。
フランチャイズの手数料が負担になる
簡単にキッチンカーを立ち上げる方法のひとつに、フランチャイズに加盟すれば、出店場所を紹介してもらえたり、初心者にもわかりやすいサポートを受けられたりします。しかしロイヤリティー(販売手数料)を払う必要があり、これが契約内容によっては高くついてしまう場合も。自分が払える金額なのか、契約内容をよく確認しておきましょう。
ビジネスのノウハウを理解していない
キッチンカー業界での廃業が多い原因のひとつは、ビジネスのノウハウが不足したまま開業をしてしまうことです。キッチンカーは簡単に始められると考える方も多くいますが、実は、キッチンカー事業を成功させるためには出店場所選び、商品開発、仕入れ、集客、接客、財務管理など多岐にわたる知識が必要です。特に個人で初めてビジネスをする方は、これらの要素を見落としやすく、計画不足が集客失敗につながることがあります。
集客を成功させるには、市場を理解した場所選びや商品選びを行い、適切な戦略を立てることが重要です。また、SNSやホームーページなどを活用した効果的なデジタルマーケティングも欠かせません。
出店までに時間をかけすぎた
キッチンカーでのビジネスをスタートさせる際に陥りがちな問題の一つが、出店準備に時間をかけすぎてしまうことです。出店許可の取得には時間がかかりますし、車両の準備、内装や外装のカスタマイズにこだわると、多くの時間を費やしてしまいがちです。
ただ、出店までに時間をかけすぎると、運転資金がどんどん減少し、事業が軌道に乗る前に資金繰りに窮することがあります。キッチンカーを成功させるためには、準備期間を効率的に短縮し、可能な限り早期に営業を開始することが重要です。
車両コストをかけすぎた
多額の車両コストが廃業の一因となることもあります。キッチンカー運営にかかる最も大きなコストは車両にかかるコストです。新車をカスタムする場合は200万円から300万円、中古車両をカスタムする場合でも100万円から200万円が必要です。外装や内装にこだわればさらに費用は増えるでしょう。
資金に余裕があれば問題はありませんが、車両にお金をかけすぎると、運営資金の圧迫やローン返済の負担を増やし、最終的には事業の継続が難しくなってしまいます。最初から車両に多額の資金を使うことは避け、そのお金を事業の運転資金に回すことで、それだけ長く事業の継続ができます。車両コストをかけすぎることには注意しましょう。
廃業を防ぐために想定しておくべきトラブルの例
キッチンカーは少ない資金で起業できるからといって、誰でも簡単に収益を上げられるわけではありません。簡単にお金を稼ぐことができないのは、固定店舗であれ移動販売であれ同じこと。ありがちなトラブル例を前もって把握しておきましょう。
プロパンの契約ができない
調理に必要なプロパンの契約は取りにくく、断わられることも珍しくありません。キッチンカーの準備は整ったものの、調理ができないという事態になっては大変です。キッチンカーを制作する前に業者への相談をしておきましょう。
相手の都合で出店先がなくなる
固定の場所で継続的に出店をしていても、相手先の都合で、突然出店先がなくなる場合もあります。それでも、出店先が他にもあれば売り上げがゼロになることはありません。毎日稼働するつもりで、複数の出店先を確保しておきましょう。
同じメニューの出店があり断られることも
イベント時に自分と同じメニューを扱っているキッチンカーが出店している場合は、断られるケースも。主催者や出店管理業者は、限られたスペースの中でお客さんを喜ばせたいと考えているため、同じメニューを扱っている店舗を同時に出店させることは避けたがるのです。
メニューが認知されておらず売れない
日本でまだあまり市民権を得ていない外国の食べ物などは、一度食べたら美味しいと言ってもらえる自信作でも、幅広く認知されていなければなかなか売れません。市民権が得られていない食品は最初のハードルが高め。まだ知られていない珍しいメニューを販売するには、まず定番メニューから始め、そこに追加する形で始めると認識されやすくなります。
季節や天候によって売れないメニューがある
冬によく売れるメニューが夏に全く売れなくなることもあり、その逆も然り。夏場はアイスドリンクやかき氷も併せて販売するなど、季節や天気によってメニューを臨機応変に変える工夫が必要です。ただし、複数のメニューを扱い、何でも屋になってしまうのは避けたいもの。同じものを売っていても、近くに専門店があればお客さんはそちらを選ぶでしょう。複数メニューを扱っていても、メインのメニューを決め、こだわりを持つことが大切です。
『キッチンカーで儲かるメニューの特徴』はこちらの記事で纏めていますので、興味があれば、ぜひご確認ください。
キッチンカー営業で廃業・失敗する人の特徴は?
周囲にアドバイスを求めない
周囲にアドバイスを求めずにキッチンカーを営業すると、自分の限られた視野やアイデアの中でだけで経営することになるため、新しい視点が欠如し、問題に対してクリエイティブな解決策を見つけることが難しくなります。また、自分の商品や接客に対する客観的な評価を受ける機会が不足し、お客さんが求めていない、誤ったサービスや商品を生んでしまう可能性があります。日々の営業の中で、お客さんや他のキッチンカー事業者からのアドバイスを参考にしながら、よりニーズに合った商品を試行錯誤できると、失敗するリスクを減らすことができます。
すぐに諦めてしまう
キッチンカー事業に限りませんが、最初から全て上手くいく人は少なく、よほど事前準備が万端か、最初から上手くいった人の多くはたまたま運が良かったというだけです。ほとんどの人は失敗の経験から学び、活かすための改善や試行錯誤に時間を掛け続けた結果、成功と言える結果を手にします。失敗してすぐに諦めるのではなく、短期間では明確な成果に繋がらなくとも、地道に改善を続けていくことが、キッチンカー事業者として独立し、成功していくことに繋がります。
廃業リスクを8割減らすための準備ロードマップ
ここまでキッチンカーで失敗する主な原因や、ありがちなトラブルなどを紹介しましたが、キッチンカーで開業を成功させるには、起こりやすいトラブルを事前に把握し、対策を練っておくことが大事です。以下を参考に対策を行いましょう。
ロードマップ全体像
- 数字の見える化:原価率・損益分岐点・必要販売数を先に出す
- 許可要件の確定:希望エリアの保健所要件→車両仕様→メニュー設計の順で確定
- ムダな初期投資をカット:最小装備×最小オペで回せる形から開始
- 出店先の確保:イベント依存を避け、平日導線のある場所を確保
1:原価率と損益分岐点を出して「価格設定」を固める
“売れているのに儲からない”状態にならないためにも、以下の試算を行いましょう。
- 全メニューの原価率を算出(食材・包材・トッピングまで含めて1食あたりで計算)
- 目標原価率の目安を決める(例:30〜35%を基準に、メニュー特性で調整)
- 固定費を洗い出す(車両関連、保険、通信、駐車場、許可関連、家賃/倉庫、返済)
- 損益分岐点(1日あたり必要販売数)を計算:例)1日の必要粗利 ÷ 1食あたり粗利 = 必要販売数
2:車両の事前設計チェック
車両は一度作ってしまうと出費が大きく、設備不足で改造が必要になると更に費用がかさみます。
設備が営業許可を取得するための水準を満たしているか等事前に確認しましょう。
- 各エリアの保健所に確認する項目をリスト化(シンク数、給排水、換気、手洗い、温度管理、提供形態 など)
- 車両製作会社は最低3社で比較(見積・仕様・納期・改造対応・アフター)
- 許可要件を満たす仕様を「書面」で合意(口頭ではなく、仕様書/見積に明記)
3:初期費用は必要なものに絞る
初期費用をかけすぎることは、売上が立ち上がる前に運転資金を消費してしまう原因になります。初めは必要なものだけにお金をかけ、事業が軌道に乗ってきたら拡大していくのが良いでしょう。
- 車両の設備は“必須+売上直結”に限定(見栄えより回転率/衛生/保温保冷を優先)
- ワンオペで回せる仕組みを作る(人件費の削減)
- 出店準備に時間をかけすぎない(準備期間が長くなると運転資金を消耗するため)
4:出店場所を押さえて「売上の土台」を作る
イベントは売上が大きい反面、毎週の再現性が低いことが多いです。まずは「平日に安定して売れる場所」を作ってから、イベントで売上を伸ばす順番が安全です。
- 平日メインの出店先を2〜3枠確保(オフィス街・大学・病院・工場など)
- 出店場所プラットフォームも併用(募集枠の波に左右されにくくする)
- 出店先ごとの勝ちパターンを仮説立て(客層、ピーク時間、価格帯、人気カテゴリ)
キッチンカーの開業をお考えならMellowへ
キッチンカーの開業をお考えなら、キッチンカー開業のためのプラットフォーム『Mellow』を活用するのがおすすめです。
Mellowは、キッチンカーと出店場所のマッチングと、キッチンカーの開業および経営支援を行なう日本最大級のプラットフォームです。
キッチンカーの出店場所の紹介から、出店・集客にあたってのアドバイスを受けることができるため、キッチンカーの出店がよりスムーズになります。初めてキッチンカーを運営する方も、Mellowを活用すれば安心して事業を始めることができます。
Mellowを利用するメリット
キッチンカー経営で最も難しいのは出店場所の確保ですが、Mellowは業界最大数の出店場所数を管理しているため、あなたのお店にピッタリの出店場所が見つかります。専属アドバイザーが出店場所選びをサポートするため、スペースオーナーとの交渉に苦労する必要なく、出店場所を確保することができます。
また、Mellowでは無料の開業セミナーや経営相談を行っており、キッチンカーの営業データをもとにしたリアルなアドバイスを受けることができます。開業のための準備方法や、継続的に売上を上げるコツなど、キッチンカー経営に必要な情報を無料で手に入れることができます。
失敗例をもとに下準備と事前対策を取ることが成功への鍵
キッチンカーは、正しくポイントを抑えれば失敗しにくいビジネスです。しっかりとした計画を立て、しっかりとした情報収集をすれば、成功するビジネスとも言えます。
しかし、正しい情報を伝えずに車両を販売するような業者も増えています。失敗したケースやトラブルになりがちな例をあらかじめ把握し、対策を講じたうえで試行錯誤を重ねていくことが成功への鍵となるのではないでしょうか。
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執筆者:Mellow編集部
キッチンカーマガジンは、キッチンカー(フードトラック)に特化した情報を発信する専門メディアです。導入事例や経営ノウハウ、営業に関する手続きまで幅広く網羅しており、これから始める方や運営中の方に役立つ実践的な情報が満載です。また、数々のスポーツから国際イベントまで豊富なサポート実績から、イベントの企画/キッチンカーの誘致に関する情報もお届けします。
監修者
石澤 正芳
株式会社Mellow 代表取締役社長兼CEO
2000年代初頭、キッチンカー事業者の「個の強さ」に感銘を受け、自身でキッチンカーを開業。
その後、空きスペースとキッチンカーのマッチング事業を立ち上げ、当時都内最大規模まで成長させる。その経験から移動販売ビジネスのDXに着目し、2016年株式会社Mellowを共同創業。
2018年より代表取締役。社会にとってより良い持続可能な賑わい創出、ローカルコミュニティの再構築など、様々なステークホルダー視点を取り入れながらキッチンカーのプラットフォームを創造している。
向 剛志
株式会社Mellow 執行役員
大手グルメ情報サイト「ぐるなび」で、営業や投資チームに所属。東名阪 1,000店舗以上の飲食店販促や経営支援に従事したのち、 モビリティプラットフォーム「SHOP STOP」を運営する株式会社Mellowへ入社。キッチンカー開業支援事業を立ち上げ。これまで300店舗以上のキッチンカー開業相談を請け負っている。