キッチンカーの開業をするには、初期費用だけでなく毎月の維持費も計算しておくことが大切です。キッチンカーの経営にかかる維持費は一般的に月に50万円程度ですが、規模によって上下します。具体的には、毎月どのような資金が必要で、どれくらいの予算に収めるべきなのでしょうか?
こちらの記事では、キッチンカーの維持費の内訳や原価率の計算方法、維持費を安く抑えるコツをご紹介します。
目次
- 開業実績多数!無料キッチンカーセミナー開催中
- キッチンカーの経営にかかる維持費と内訳
- 1. 原材料費
- 2. 交通費
- 3. 車両の維持費
- 4. 税金
- 5. PL保険料(生産物賠償責任保険料)
- 6. 梱包材費
- 7. 販促費
- 8. 消耗品費
- 9. 営業許可取得手数料
- 10. 水道光熱費
- 11. 通信費
- 12. 商品開発費・広告宣伝費
- 13. 仕込み場所家賃
- 14. 駐車場代
- キッチンカー経営で知っておくべき原価率の計算方法
- 原価率とは?どれくらいを目安にすべき?
- 原価率の計算方法と注意点
- キッチンカーの維持費を安く抑えるコツ
- キッチンカーを始めるならMellow
- まとめ
- キッチンカーに関する主な記事
- 開業実績多数!無料キッチンカーセミナー開催中
- キッチンカーの開業相談
- キッチンカーの出店場所をお探しの方
開業実績多数!無料キッチンカーセミナー開催中
キッチンカーの経営にかかる維持費と内訳
キッチンカーの経営にかかる維持費としては以下14個が上げられます。
原材料費 | 30% |
交通費 | 2% |
車両の維持費 | 15万円程度 |
PL保険料(生産物賠償責任保険料) | 5,000~10,000円程度 |
梱包材費 | 2% |
販促費 | 0.5% |
消耗品費 | 0.5% |
営業許可取得手数料 | 各15,000~50,000円程度 |
水道光熱費 | 1.6% |
通信費 | 0.7% |
商品開発費・広告宣伝費 | 0.5% |
その他 | 税金、仕込み場所家賃や駐車場代 |
ここではそれぞれについて詳しく紹介していきます。
1. 原材料費
キッチンカーでは、原材料費が必ず必要になります。ここには食材や調味料などが含まれます。
原材料費は、一般的に売上の約30%が目安ですが、キッチンカーのスタイルによってその比率は様々です。高級食材を使用する場合や、特定のメニューで大量の食材を必要とする場合は、この比率は高くなるでしょう。
原材料費は開業後も変動する可能性があるため、定期的に見直しましょう。効率的な仕入れでコストを抑えつつ、品質を保つことが重要です。
2. 交通費
キッチンカーの交通費には、出店場所への移動で必要なガソリン代や高速料金、仕入れのための移動費が含まれます。
出店場所や仕入れ場所までの移動距離が長い場合、交通費が総経費の中で大き割合を占めることがあります。そのため、出店場所の収益性と交通費のバランスを考え、コスト効率の良い出店場所を選ぶことが重要です。
3. 車両の維持費
キッチンカー経営では、車両の維持費が運営コストの重要な部分を占めています。車両の維持費は使用する車両の種類、状態、または走行距離によって大きく変動しますが、一般的には月額約15万円程度が目安です。内訳は以下の通りです。
自動車税 | 約4,000~5,000円 |
保険料 | 約3~4万円 |
保険料 | 約3~4万円 |
車検費用 | 数万円~数十万円 |
オイル交換費用 | 都度4,000円程度 |
車両メンテナンス費用 | 月額1万円~ |
これらの維持費を適切に管理し、不必要な出費を避けることでキッチンカーの運営をより効率的に行うことができます。また、定期的なメンテナンスを怠らないことで、長期的に見て車両の寿命を延ばし、将来的な大きな修理費用を避けることが可能です。
4. 税金
キッチンカー経営に伴う税金は、以下の通りです。
自動車税 | 車両の種類や排気量により異なり、毎年必要 |
自動車重量税 | 軽自動車では100kgあたり1,700円~2,500円が車検時に必要 |
所得税・住民税 | 事業所得に基づき計算され、所得に応じて毎年支払い |
事業税 | 地域によって異なり、売上に応じて自治体へ納税 |
消費税 | 食品には軽減税率8%が適用されることが多く、その他の商品には10%適用 |
これらの税金は、キッチンカー運営の計画と管理において重要な費用の一部であり、適切な管理が不可欠です。
5. PL保険料(生産物賠償責任保険料)
PL保険(生産物賠償責任保険)は、キッチンカーでの販売した商品で万一トラブルが起こった時に備えて加入しておく必要があります。
この保険は、販売した商品が原因で顧客に何らかの害を与えた場合、その賠償責任をカバーするものです。例えば、キッチンカーから提供された食品による食中毒、顧客への熱い飲み物のこぼれによるやけど事故、またはイベント会場でキッチンカーの設置や看板によって顧客が転倒してしまった場合などに適用されます。
これらの事故が起こった場合、損害賠償請求は数百万円から数千万円にも上る可能性があります。そのため、PL保険への加入は事業者にとって大きな安心材料となり、未然にリスクを回避するための重要な手段です。保険料は年間で5,000円から10,000円程度ですが、事業の規模や選択する保険内容によって変動します。保険会社に見積もりを依頼するのが良いでしょう。
6. 梱包材費
キッチンカーの経営において、梱包材料費は商品をお客様に提供する際に使用する容器や手提げ袋などが含まれます。これらの費用は売上の約2%を目安に抑えることが望ましいです。
2020年7月からスタートしたレジ袋有料化に伴い、キッチンカー業界でもこの決まりが適用されています。バイオマス素材の袋は無料で提供することができるため、レジ袋の有無を毎回尋ねる代わりに初めからバイオマス素材の袋を選択しているオーナーもいますが、これらは従来のレジ袋に比べてコストが高いため、費用対効果を考えると初期段階ではコストが低い通常のレジ袋を使用することをおすすめします。また、オリジナルロゴを入れた容器や袋を使用することで他店舗との差別化を図ることができますが、こちらもコストがかかるため、初めのうちは安い梱包材を利用するのがいいでしょう。
7. 販促費
キッチンカー経営で成功を収めるためには、お客さんに来てもらうための効果的な販促活動が不可欠です。費用は売上の約0.5%に抑えるのが良いでしょう。
主な販促費用としては以下が挙げられます。
ホームページの作成 | 10万円~30万円 |
チラシの制作 | 1万~5万円 |
看板やのぼりの製作 | 3万円~10万円 |
これらの販促ツールは外部のプロに依頼することもできますが、コストを抑えるために無料のデザインツールを活用して自作するのもいいでしょう。どの方法を取るにしても、ターゲットとする顧客に合わせた販促活動を心がけ、効率的な費用配分を行いましょう。
8. 消耗品費
キッチンカー経営における消耗品費には、調理用の消耗品、文具、季節ごとの店の装飾などが含まれます。これらは日々の運営で定期的に補充が必要で、費用は営業の頻度やスタイルによって異なります。
例えば、頻繁に営業するキッチンカーでは消耗品費が増え、特定のアイテムが定期的に必要になることも。消耗品は運営に欠かせない要素であり、計画的に購入することでコストを抑えることが可能です。
9. 営業許可取得手数料
キッチンカー運営には、出店する地域ごとに保健所の営業許可が必要です。
2021年5月までは、各自治体の基準をクリアした上で営業許可を申請し、自治体ごとに15,000円から50,000円の手数料を支払っていました。しかし、2021年6月の食品衛生法改正により、自治体ごとの基準ではなく全国統一の基準に基づく申請に変更されました。手数料は16,000円〜19,000円程度が必要です。また、大阪府や神奈川県などでは法改正に伴い営業区域が拡大された場所もあるため、確認が必要です。
2021年5月以前に取得した営業許可は5年間有効で、有効期限が切れた後は新しい基準での再申請が必要です。これにより、しばらくの間は旧新基準の営業許可が混在することになります。
10. 水道光熱費
キッチンカーで提供する食事の調理に必要な水道、ガス、電気の料金は水道光熱費として計上されます。販売時だけでなく食材の下ごしらえに使う水道、ガス、電気代も水道光熱費に含まれます。また、プロパンガスの購入や、出店地で電気を利用する際の料金も含まれます。
これらの費用は売上の1.6%以内に収めることが望ましいでしょう。
11. 通信費
キッチンカーでは、インターネットや電話にかかる通信費も重要な維持費の一つとなります。SNSでのキッチンカーの宣伝や、出店場所確保の電話などに欠かせません。適切な経営を行うためには、売上の0.7%程度を通信費に割り当てるのが一般的です。
なお、プライベートの通信回線とは別に、キッチンカー専用のプロバイダ契約がある場合、その料金も通信費として計上することができます。
また、ハガキやダイレクトメールの送付に伴う郵送料も通信費に算入可能です。ハガキ自体の購入費は消耗品費に含まれるため、通信費とは別に計算する必要があります。
12. 商品開発費・広告宣伝費
商品開発費や広告宣伝費はキッチンカー経営の重要な維持費です。
商品開発費は、新しいメニューの開発や改良を図るために投じるコストで、顧客の要望に応える新たな料理を提供することが可能です。
広告宣伝費は、SNSやホームページの運営費などが含まれます。キッチンカーの認知度を高めるために使用され、集客力向上に直結します。これらの費用は売上増加を見込んで適切に投資することが経営において重要です。売上の0.5%程度に収めるのが良いでしょう。
13. 仕込み場所家賃
キッチンカー運営では食材の仕込み場所として適切なスペースが必要です。自宅を使用できれば仕込み場所の家賃はかかりませんが、設備を満たせない場合は、専用の仕込み場所を借りることが必要になります。
仕込み場所の家賃は、場所の広さや設備、所在地によって異なり、特に都市部では高額になることがあるため、注意が必要です。この家賃はキッチンカーの経営における維持費の一部として計上されます。
14. 駐車場代
キッチンカーでは、毎月固定の駐車場代が発生します。自宅に駐車スペースがある場合はこのコストを抑えることができますが、そうでない場合は外部の駐車場を利用することになります。金額は地域や駐車場の条件によって月数千円から数万円と幅広く、キッチンカーの毎月の運営費用に直接影響します。特に都市部では高額になる傾向がありますので、事前にしっかりとした計画が必要です。
キッチンカー経営で知っておくべき原価率の計算方法
キッチンカー運営で必ず必要になるのが、「原材料費」です。売上に見合った原価率となるようしっかりと計算し、無理のない経営を続けていきましょう。ここでは、キッチンカー経営で知っておくべき原価率の計算方法をご紹介します。
原価率とは?どれくらいを目安にすべき?
原価率とは、販売するメニューの価格を占める材料費(原価)の割合です。 原価の割合が高いと利益が残らず、逆に原価の割合が低いと質に影響するため、原価率の設定は大切です。原価率の目安は、売上の30%程度が望ましいでしょう。
原価を考えるときは、利益をどれだけ確保したいかを明確にすることが重要です。ただ美味しいものを提供するだけではなく、しっかりとした収益モデルを構築することが、持続可能なビジネスを築く上で欠かせません。また、どれくらいのクオリティを保ちたいか検討することも重要です。たとえば、通常のバターよりも無塩バターを使用するなど、こだわればコストは上がっていきます。コストとクオリティのバランスを考えながら、無駄なくコストを抑える工夫が求められます。どうしても譲れないこと以外の原価を低めに設定するなど、メリハリをつけると広告費用も捻出できます。
以上のポイントを踏まえ、原価率を計算し、効果的にコスト管理を行いましょう。
原価率の計算方法と注意点
原価率は、以下のようにして計算します。
- 商品当たりの原価を計算 使用する食材の量と金額をリストアップし、それぞれのコストを合計して1商品当たりの原価を算出します。
- 売上価格と原価率の関係 原価率を30%に保ちたい場合、算出された原価から必要な販売価格を求めます。例えば、原価100円の商品を原価率30%で提供したい場合、100円を0.3で割り、約333円で販売する必要があります。
なお、設定した販売価格が市場の相場よりも高い場合は、食材の質を調整したり、仕入れコストを見直すことが必要です。また、食材価格の変動が激しい場合は、定期的な原価の見直しも重要です。
キッチンカーの維持費を安く抑えるコツ
キッチンカーの維持費を抑えるためには、以下のやり方が考えられます。
- 食材の仕入れ先を見直す 地元市場や直接契約を利用することでコストを削減することができます。また、消耗品は量販店での一括購入がおすすめです。
- 人件費を見直す 自分一人で作業を行うなど、必要最低限のスタッフで運営することで抑えられます。
- 車両コストを見なおす 軽トラックや中古車の使用で初期投資を減らしましょう。
- メニューを変更する 原材料費の安いメニューやシンプルなメニューに変更したり、保存が効く食材を活用することで、コストを抑えることができます。
これらの方法を組み合わせ、効率的な運営を心掛けましょう。
キッチンカーを始めるならMellow
キッチンカーの開業までには、多くの複雑なステップがあります。キッチンカーの開業をお考えの方には、キッチンカー開業のためのプラットフォーム『Mellow』を活用することがおすすめです。
Mellowは、都心部でのキッチンカーと出店場所のマッチングと、キッチンカーの開業および経営支援を行なうプラットフォームです。
キッチンカー経営で最も難しいのは出店場所の確保ですが、Mellowは業界最大数の出店場所数を管理しているため、最適な出店場所を見つけることができます。また、キッチンカーを開業されている方に無料の開業相談を行っており、キッチンカーの営業データをもとにしたリアルな開業・経営アドバイスをさせていただきます。
初めてキッチンカーを運営する方も、Mellowを活用すれば安心して事業を始めることができます。
まとめ
キッチンカーの維持費には、原材料費や消耗品、税金、交通費など、様々な費用が含まれます。それぞれの項目に、売上に対する比率の目安があるため、開業前にしっかりと計算をし、適切な維持費を設定しましょう。