飲食店を開業する際にコストをできるだけ低く抑えることができるキッチンカー。低予算で開業しやすいということもあり、最近ではランチタイムになるとオフィス街などでキッチンカーをよく目にするという人も多いのではないでしょうか。その中でもハンバーガーは手軽に食べることができ、テイクアウトも容易ということで、忙しい人にも人気です。
この記事では、そんなハンバーガーのキッチンカーに興味があるけれど、どんな準備が必要なのかわからないという人に向けて、開業までの流れを詳しくご紹介します。
目次
- 開業実績多数!無料キッチンカーセミナー開催中
- キッチンカーのハンバーガーショップの成功事例5選
- 事例1:Wise Burger
- 事例2:Burger Big Bang PJ
- 事例3:BONNIE&FRIED.tokyo
- 事例4:HEROSTAND
- 事例5:back yard fish
- ハンバーガーショップを成功させるには
- オリジナリティで勝負
- サイドメニューを取り入れる
- ドリンクやポテトをセットで販売
- キッチンカー(移動販売)のハンバーガーショップを開業するメリット
- ① 高い人気と需要
- ② 差別化がしやすい
- ③ ターゲット設定が明確
- ④ セット販売による単価アップ
- キッチンカー(移動販売)のハンバーガーショップを開業するデメリット
- ① 競合が多い
- ② 作り置きが困難
- ③ 生野菜の使用による廃棄率の高さ
- ④ 販売時間の限定される
- キッチンカーのハンバーガーショップを開業するまでの流れ
- キッチンカーのハンバーガーショップに必要な設備
- バンズやパティを焼くための鉄板
- 冷蔵庫
- ハンバーガープレスやミンサー
- キッチンカーを営業する際の二つの事業形態
- ハンバーガーショップ開業に必要な資格や許可
- 「食品衛生責任者」の資格が必要
- 移動販売の営業許可が必要
- 自動車営業の営業許可を取得するまでの流れ
- ハンバーガーキッチンカー開業の初期費用
- ハンバーガーキッチンカーの売上・年収
- キッチンカー(フードトラック)を手に入れてオリジナルハンバーガーで勝負しよう!
- キッチンカーに関する主な記事
- 開業実績多数!無料キッチンカーセミナー開催中
- キッチンカーの開業相談
- キッチンカーの出店場所をお探しの方
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キッチンカーのハンバーガーショップの成功事例5選
ここでは、実際に全国でキッチンカーでハンバーガーを販売している人たちのユニークなメニューやキッチンカーの見せ方、SNS活用の事例などを紹介します。
事例1:Wise Burger
Wise Burgerはオーナーのハンバーガー店舗での経験を活かし、自家製バンズから作られるこだわりのハンバーガーを提供するキッチンカーです。軽い口当たりのバンズは、フィリングを優しく包み込み、一口ごとに美味しさが広がります。完璧な見た目の具材も、期待を裏切らない味わいです。 さらに、付け合わせのポテトにはオーナーの塩へのこだわりが光り、絶品のサイドメニューとして楽しめます。
事例2:Burger Big Bang PJ
Burger Big Bang PJは牛肉100%のパティとバンズを炭火で豪快に焼き上げるスタイルのキッチンカーです。 目の前で焼き上げることで、香ばしい香りとジューシーな味わいが楽しめます。ケチャップやタルタルソース、付け合わせのポテトに至るまで全て自家製で、オリジナルの味わいを追求しています。
事例3:BONNIE&FRIED.tokyo
BONNIE&FRIED.tokyoは竹炭を使用した真っ黒のバンズで挟むオリジナルハンバーガーを提供しているキッチンカーです。 チーズバーガーには、食感のアクセントとしてケールや揚げた餃子の皮を使用しています。これらはすべて車内で揚げたて、焼き立てのものです。多くのオリジナリティに溢れたメニューを楽しむことができます。
事例4:HEROSTAND
HEROSTANDは、土日のイベント出店ではハンバーガー、平日のランチタイムでは創作アメリカン料理を提供しています。味だけでなく、トラックのデザインにもオーナーのセンスが表れています。 世界観と料理の見た目が調和しており、目と舌の両方で楽しめます。
事例5:back yard fish
back yard fishは、神奈川県藤沢市を拠点にさまざまなイベントに出店しています。
地元湘南の朝どれ野菜やオーダーメイドのバーガーバンズ、国産beef100%パティなど、食材にこだわったハンバーガーが魅力です。
ハンバーガーショップを成功させるには
ハンバーガーショップを開業するにあたって大事なポイントをいくつかご紹介します。ハンバーガーという商品の特長を活かしたビジネス展開がカギとなります。
オリジナリティで勝負
ハンバーガーはバンズやパティ、トッピングの組み合わせで、オリジナリティが出しやすいメニューです。通常の丸いバンズの他にも、クロワッサンやイングリッシュマフィンなどを使用したり、米粉のパンなど材料自体を工夫したりすることも可能です。また、パティの種類も牛肉だけではなく豚や鶏、ラム肉など様々なものを使用可能。挽き具合や一緒に挟むトッピングを変えることで個性を出すことができます。さらに、バーガーに合わせるソースをオリジナルにするだけでも、ここでしか食べることのできないハンバーガーを演出することができるでしょう。その他にも、直径7㎝ほどの小さなハンバーガー「スライダー」や、パンの両面をこんがりと焼いた「パニーニ」など、あらゆるものをハンバーガーのカテゴリとして、メニューを考えることができます。
サイドメニューを取り入れる
一般的にハンバーガーは主食として食べることが多いため、売れる時間が決まっています。そのため、小腹が空いた時におやつ感覚で手軽に食べることのできるフライドポテトやハッシュドポテト、チキンナゲット、スープなど、サイドメニューを取り入れることで食事の時間帯以外での集客を狙うことができます。また、ハンバーガーは軽食のイメージが強く、ランチ時間にごはんものと比べるとどうしても弱いというデメリットがありますが、サイドメニューとセット販売することでボリュームを出し、客単価もアップさせることができます。サイドメニューの候補としては、年間を通して仕入れ価格の変動が少ない芋や玉ねぎを使ったフライドポテトやオニオンリングなどがおすすめです。もちろん、サイドメニューでオリジナリティを出すというのもよいでしょう。
ドリンクやポテトをセットで販売
ドリンクやポテトをセットで販売することで、客単価を上げることができます。ドリンクやポテトはなんといっても原価率の低さが魅力。ハンバーガーと比べて手間がかからず原価率も低いため、セット販売にはうってつけです。さらに、コーヒーやカフェオレ、紅茶などをメニューに取り入れれば、「ブレイクタイムの一杯に」といった集客も狙えます。
ただし、キッチンカーランチの主戦場となるビジネス街のオフィスビルや大学などでは「ごはんもの」が圧倒的に人気です。日本ではお昼ご飯に「パン」を選ぶ人が少ないということは肝に銘じておきましょう。ごはんメニューと戦えるオリジナリティのあるハンバーガーを考案しましょう。
キッチンカー(移動販売)のハンバーガーショップを開業するメリット
キッチンカーでハンバーガーを販売する際には、いくつかのメリットがあります。以下で4つのメリットを紹介します。
① 高い人気と需要
ハンバーガーはイベント会場やランチタイムにおいて高い人気を誇ります。手軽に食べられる点が野外イベントや商店街などでの販売に適しており、ハンバーガーキッチンカーにとって大きな利点となります。この特性を活かすことで、一定の需要が見込め、ビジネスとしての安定性が期待できます。
また、ハンバーガーは幅広い世代に認知されており、若年層を中心に人気があるメニューです。DIMSDRIVEのリサーチによれば、10代から40代の男女の半数以上が月に1回はハンバーガーショップを利用しています。
② 差別化がしやすい
ハンバーガーはバンズやパティ、ソースのアレンジが可能で、他店との差別化が容易です。オリジナルメニューや期間限定商品を通じて、リピーターを獲得する機会が豊富にあります。特にキッチンカーならではのユニークなトッピングやアレンジで、他店にはない特別感を演出できます。
③ ターゲット設定が明確
ハンバーガーは10~20代に特に人気があり、ターゲット層が明確です。このことから、出店場所の選定が容易になり、ゴールデンウイークや夏休みなどの特定期間に集中して出店する戦略が可能です。また、多様な素材選択により、高級路線やコストパフォーマンス重視の商品展開が行いやすいです。
④ セット販売による単価アップ
ハンバーガー店はサイドメニューの提供が容易で、セット販売を通じて客単価を上げることができます。フライドポテトやドリンクなどの追加により、より多くの客層を引き寄せ、売上を伸ばすことが可能です。セット販売は客の選択肢を増やし、顧客満足度を高める効果も期待できます。
キッチンカー(移動販売)のハンバーガーショップを開業するデメリット
キッチンカーでハンバーガーを販売する際には、メリットだけでなくいくつかのデメリットも考慮する必要があります。特に、原価の高さや特定の年齢層に売れにくいという点が挙げられます。
① 競合が多い
ハンバーガーは人気メニューであるため、競合が非常に多いです。大手チェーン店を始め、様々なハンバーガーショップが存在し、その中で独自の魅力をアピールする必要があります。差別化が成功の鍵となり、独自の味やメニュー開発が重要です。
② 作り置きが困難
ハンバーガーは作り置きが難しく、注文を受けてからの調理が必要です。これにより提供時間がかかり、特に混雑時の回転率の低下がデメリットとなります。スピーディーな提供を実現するためには、効率的な調理プロセスや人員配置の工夫が必要です。
③ 生野菜の使用による廃棄率の高さ
ハンバーガーに使用される生野菜は鮮度維持が難しく、廃棄率が高くなりがちです。これはコストの増加に直結し、利益率を下げる要因となります。鮮度維持のための工夫や、廃棄率を考慮したメニュー計画が求められます。
④ 販売時間の限定される
ハンバーガーは食事メニューであり、売れる時間帯が限定される傾向にあります。ランチタイムやイベント時に売上が集中し、他の時間帯では売上が伸び悩む可能性があります。このため、ランチタイム以外の時間帯でも売上を伸ばすための戦略が必要です。例えば、軽食メニューやスライダーなどの提供が有効です。
キッチンカーのハンバーガーショップを開業するまでの流れ
ハンバーガーキッチンカーを開業するまでの流れは、まず自分のコンセプトや戦略を明確にし、それに基づいて必要なコストや予算を算出することから始まります。これは、開業後に無駄な出費を防ぎ、効率的に事業を進めるための重要なステップです。
開業資金の準備が次に来ます。資金調達には自己資金のほか、ローンやクラウドファンディングなど様々な方法がありますので、最適な方法を選びましょう。
その後、必要な資格の取得や設備の準備、各種手続きを行います。食品衛生責任者の資格や保健所からの許可など、食品販売には欠かせない要件をクリアする必要があります。出店場所の確保も重要で、イベント主催者や自治体との交渉、契約が必要になることもあります。キッチンカーの購入やレンタルを決め、必要な保険に加入し、食材の仕入れルートを確保します。
最後に、広告やSNSを活用した宣伝で、開業前からターゲット層にリーチし、注目を集める工夫が求められます。事前に計画を練り、段階を踏んで準備を進めることで、スムーズな開業が可能になります。
キッチンカーのハンバーガーショップに必要な設備
キッチンカーでハンバーガーを販売するには以下のような設備が必要です。
バンズやパティを焼くための鉄板
メニューの内容に応じて適切なサイズのものを選びましょう。ガスを使う場合はLPガスのボンベ、電気を使う場合はエンジン発電機が必要になります。
冷蔵庫
パティの材料や生野菜などの保存に必要です。
ハンバーガープレスやミンサー
手軽にパティを作ることができるハンバーガープレス、肉の塊をひき肉にするミンサーもハンバーガーショップの必需品です。その他にも、メニューによってはフライヤーなど必要な設備が多いため、ハンバーガーショップを開業するためには、大き目のキッチンカーが必要です。
キッチンカーを営業する際の二つの事業形態
一つ目の事業形態は、個人経営型のキッチンカーです。自分たちのレシピやメニューを開発し、自ら調理や販売を行うため、完全な制御権と柔軟性を持ちながら、利益の全てを自分で受け取ることができる点です。ただし、これには多くの責任と労力が伴います。
もう一つの事業形態は、フランチャイズ展開です。フランチャイズモデルでは、既存のブランドやビジネスモデルを持つ企業からライセンスを受け、そのブランドやシステムを利用して自らのキッチンカーを運営します。この形態の利点は、既存の成功したビジネスモデルに基づいてスタートできることや、マーケティングやブランディングの支援を受けられることです。しかし、フランチャイズ料やロイヤルティなどの支払いが必要であり、またフランチャイズ本部の方針に従う必要があるため、自主性が制限される場合があります。
ハンバーガーショップ開業に必要な資格や許可
ハンバーガーショップをキッチンカーで開業するためには、どのような資格や許可が必要で、どういった手続きをおこなうのか、詳しく解説します。
「食品衛生責任者」の資格が必要
飲食店の開業には、固定店舗、移動販売に限らず「食品営業許可」が必要です。食品営業許可を受けるために、「食品衛生責任者の資格を持った人を1人以上店に置く」という条件を満たさなければなりません。食品衛生責任者の資格は、全国の食品衛生協会がおこなっている講習を受講することで取得できます。講習は約6時間程度おこなわれ、費用は約1万円~2万円かかります。なお、調理師免許を持っている人は講習を免除されます。
移動販売の営業許可が必要
次にキッチンカーなどの移動販売をおこなうための営業許可を保健所に申請する必要があります。保健所は各自治体に設置されていますので、移動販売の場合は出店予定地を管轄している保健所に届け出をださなければいけません。そのため、前もってどの保健所の管轄地域で移動販売をおこなうのか決めておきましょう。また、保健所によって許可の条件や、キッチンカーの設備に関しての条件、仕込み場所などの基準が異なります。後から、基準を満たしていないという理由でキッチンカーを改造するとなると、余計な費用が掛かってしまいます。そのような事態を避けるためにも、まずは保健所に足を運んで相談してみることから始めましょう。
自動車営業の営業許可を取得するまでの流れ
自動車営業の営業許可を取得するにはまず、出店予定地の管轄の保健所に施設の設計図を持参のうえ、事前相談に訪れます。食品衛生責任者の資格は前もって取得しておきましょう。その後、「営業許可申請書」「営業設備の大要・配置図」「営業の大要」「仕込場所の営業許可書の写し」「許可申請手数料」などの必要書類を施設完成予定日の10日くらい前までに提出します。
また、担当者の方と施設の確認検査の日程なども相談しておく必要があります。検査当日は施設に不備がないか、基準に合致しているかなどを保健所の担当者が確認します。施設基準に問題がある場合は許可がおりませんので、その場合は改めて検査日を決めて、それまでに改善する必要があります。検査に通れば、保健所で営業許可書の交付を受けられます。交付までには数日かかりますので、開業日は事前に打ち合わせしておくようにしましょう。
ハンバーガーキッチンカー開業の初期費用
ハンバーガーキッチンカーを開業する際、主に2つの初期費用が必要です。
1つ目は、キッチンカーの購入費用です。車両自体の費用に加え、厨房設備(鉄板など)や装飾用の看板、飲食店営業許可や食品衛生責任者資格取得費も必要となります。軽トラックサイズのキッチンカーにこれらを導入する場合、約340万円が相場です。
2つ目は、運転資金です。食材費、ガソリン代、出店料などの運営費に加え、開業直後の収入が安定しない期間を考慮し、少なくとも3カ月分の生活費や運営費を準備することが重要です。この運営資金には約240万円を見込んでおくと安心です。
これらを合計すると、ハンバーガーキッチンカー開業の初期費用は約580万円が必要となります。
ハンバーガーキッチンカーの売上・年収
ハンバーガーキッチンカーの売上と年収について、具体的なシミュレーションを基に説明します。
まず、平均客単価は870円で、年間営業日数は260日(土日と平日のうち3日間営業)と仮定します。来客数は、土日で70人、平日で30人と見積もりました。この条件で計算すると、年間の売上は1,040万5千円となります。
売上からは、平均原価(255円/1個)、人件費(土日のみ1人アルバイト雇用で8千円/日)、出店料(売上の10%)、その他雑費(売上の10%)を差し引く必要があります。これらの経費を差し引いた結果、年間の利益(年収)は444万2千円となり、月収に換算すると37万円です。
このように、週休2日で運営しながらも、出店場所の選定がうまくいけば、1,000万円を超える売上と、安定した年収が期待できます。
キッチンカー(フードトラック)を手に入れてオリジナルハンバーガーで勝負しよう!
ハンバーガーは、若者をはじめ幅広い客層をターゲットにしやすく、豊富なトッピングの数や組み合わせによって他店との差別化も図れます。オリジナリティあふれるアイディアをもとに、どのようなハンバーガーを作ってどこで売るのかをしっかりと考えましょう。