飲食業経営で必ず行うのが食材の仕入れ。質の良い食材を扱う仕入先を選定することは、メニューの味に反映するため非常に重要です。また、いかに利益が出る仕入れを行えるかは安定した営業のカギとなります。
本記事では業務用食材を仕入れる際の流れに加え、7つの仕入れ方法とそれぞれのメリット・デメリットの両面から検証していきます。
目次
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- 飲食店開業で業務用食材の仕入れが大切な理由
- 業務用食材の質がメニューの味に直結する
- 仕入れのコスト・廃棄ロスの低減が利益につながる
- 業務用食材仕入れ開始までのフロー
- メニューに必要な食材の原価を決める
- 仕入れ先を比較する
- 取引を開始する
- 業務用食材の仕入れ先7選!それぞれのメリット・デメリット
- 1.卸売業者(営業)
- 2.卸売業者(カタログ通販・ネット販売)
- 3.小売店
- 4.市場
- 5.業務用専用スーパー
- 6.生産者
- 7.通販サイト
- 業務用食材の仕入れは自分の店に合う方法で
- キッチンカーに関する主な記事
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- キッチンカーの開業相談
- キッチンカーの出店場所をお探しの方
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飲食店開業で業務用食材の仕入れが大切な理由
新規で飲食店を開業する際に考えておくべきことの1つが食材の仕入れ先です。食材の仕入れはメニューの原価率や質に直結するので、仕入れ先は慎重に選ばなければなりません。それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
業務用食材の質がメニューの味に直結する
業務用食材の品質は、提供するメニューの味に大きく影響します。そのためメニューに使う食材は、新鮮で質が良いものを仕入れることが大切です。またお客様の口に入れるものなので、もちろん安全性にも配慮して選びましょう。飲食店を営業する際は、質が良い食材を安く仕入れるために、常にアンテナを張る必要があるのです。
仕入れのコスト・廃棄ロスの低減が利益につながる
飲食店経営で重要なのは利益を出すことです。売上高から費用を差し引くと利益が出ますが、利益を出すために有効なのが、変動費である食品原価を抑えることです。
また販売価格のうち、原価が占める割合を原価率と言いますが、業務用食材の仕入れを行う際は、自分の店で設定した原価率を超えないように意識してみましょう。さらに仕入れた食材を使い切ることも重要。いくら安く仕入れても、廃棄ロスが発生すれば原価率は上がってしまうので注意が必要です。
業務用食材仕入れ開始までのフロー
初めて飲食店を開業する場合、業務用食材をどのように仕入れると良いのかあまりピンとこない人もいるでしょう。業務用食材を仕入れる時は、まずメニューに使う食材の原価を決め、仕入れ先を比較し選定した後に取引を行います。ここでは業務用食材の仕入れの流れを確認していきましょう。
メニューに必要な食材の原価を決める
食材を仕入れる前には、メニューに必要な食材の原価をあらかじめ決めておきます。まずは提供するメニューに必要な食材をすべて洗い出しておきましょう。そして各メニューの原価率を設定し、それぞれの食材にかけられる原価を決めていきます。原価は材料費、原価率とはメニューの販売価格を占める原価の割合です。原価率は自由に設定できますが、経営を圧迫しない適正原価率は30パーセントが上限と言われています。質にこだわると原価率が上がり利益が残らないので、設定した原価に収まる仕入れが大切です。
仕入れ先を比較する
仕入れ先を選ぶ際の7つのポイントを見ていきましょう。1.仕入れ先が配送できるか…配送に対応していれば仕入れの手間が省ける2.メニューに合う品揃えかどうか…店で使う食材の在庫が常にあるか確認しよう3.価格競争力がある仕入れ先か…業者間で価格を競う仕入れ先であれば、食材が安く手に入る可能性も4.見積もり可能か…仕入れの費用を購入前に把握できる5.小ロットに対応しているか…食材のロスを減らすのに有効6.掛け払いできるか…まとまった資金がある時に支払える7.試食ができるか…食材の質を確かめられるメニューに必要な食材に強い業者をいくつか選定し、比較しながら仕入れ先を決めます。
取引を開始する
利用したい仕入れ先が決まったら、さっそく取引を開始しましょう。小売店や市場に買い出しに行ったり、生産者の所へ出向いて、直接契約を結ぶための交渉をしたりします。会員制の業務用スーパーやネット通販では、新規会員の登録をし、卸売業者を利用する際は、見積もりの依頼や口座開設などをしてから契約を結びます。
カタログ販売は、カタログを取り寄せて購入する商品を選び、電話やFAXなどで注文するという流れです。コストを抑えながら安定した品質を確保して仕入れをするためには、1つの仕入れ先にこだわるのではなく、複数の仕入れ先を上手に活用することをおすすめします。
業務用食材の仕入れ先7選!それぞれのメリット・デメリット
良い仕入れ先はなるべく教えたくないという同業者もいるくらい、仕入れ先の選定は飲食業の要です。業務用食材は主に卸売業者、小売店、カタログやネットの通信販売、市場、生産者、通販サイトから仕入れます。ここでは仕入れ先7つの比較とそれぞれのメリット・デメリットを確認していきましょう。
1.卸売業者(営業)
卸売業者とは食品総合卸や食品専門商社、問屋などが挙げられます。利用するためにはいくつかのステップを踏む必要はありますが、店舗ごとに担当営業がつき、手厚いサービスが受けられます。
■メリット
- 単価が低い
- 支払いや注文をまとめてできる
- 飲食業界のトレンドや最新ニュースを入手できる
- 配送や掛け払いに対応可能
- 営業を通じて価格交渉や大量発注など、臨機応変に対応できる
■デメリット
- 口座開設の手間がかかる
- 商品を直接手に取って選べない
- 見積もりの手間がかかる。急ぎの時には不便な場合も。
- 小ロットに対応しないことが多い
- 担当営業によっては融通が利きづらい場合も
2.卸売業者(カタログ通販・ネット販売)
ショッピング感覚で利用でき、さらに卸特有の仕組みをもつカタログ販売やネット通販の卸売業者もあります。電話やFAX、ネットで気軽に注文できるのがポイントです。
■メリット
- 見積もりの手間がかからなく納品も早い
- 珍しい食材が見つかる
- 掛け払いに対応
- 小ロットの仕入れを行う業者もある
- 一定額まで注文すれば送料無料になる場合が多い
- 小売価格より安い
■デメリット
- 食材を直接見られない
- 価格交渉が難しい
- 配送料がかかる場合もある
3.小売店
全国どこでもある仕入れ先の代表と言えるのが小売店です。地域にある八百屋やスーパー、肉屋などは、気軽に利用できる仕入れ先です。
■メリット
- 仕入れ先が近場にある
- 営業中に食材が足りなくなった際に利用できる
- 家庭で使う食材であれば、ほぼ揃っている
■デメリット
- 一般向けなので仕入れ価格としては少し高い
- 配送に対応できない店が多い
- 掛け払いができない
- 仕入れ中にお客様に会い、メニューの原価が知られることも
4.市場
都道府県には必ず中央市場があり、各地から食材が集まります。飲食店をこれから始める人の中には、活気のある市場で食材を仕入れたいと考える人もいるのはないでしょうか。
■メリット
- 小売価格より安い
- 鮮度が良い
- 種類が豊富で、地元の希少な食材が手に入る
- 生産地の状況やトレンドを知ることが可能
- 目利きの経験が豊富な仲卸から、食材選定のアドバイスがもらえる場合も
- 市場で仕入れることはお店の宣伝になる
■デメリット
- 魚市場は早朝が主な仕入れの時間
- 週に2回程度休場日がある
- 独自のルールがあり、買いつけや支払いの仕組みがわかりづらい
- 紹介やコネがないと入りづらい
5.業務用専用スーパー
飲食店などの専門業者向けのスーパーが、業務用専用スーパーです。どの地域にも必ずあるわけではありませんが、個人で飲食店を営む際は必ず押さえておきたい仕入れ先です。
■メリット
- 品揃え豊富
- 大容量の商品を安価で購入できる
- 珍しい食材が見つかる
- 購入後そのまま持ち帰ることが可能
- 現物が見られる
- 業者間の価格競争があるので安く手に入りやすい
■デメリット
- 店舗まで買い出しに行くための時間の都合をつける必要があり、負担がかかることも
- 店舗がある地域は限られる
- 現金払いがメインで掛け払いには対応していない
6.生産者
メニューで使う肉や魚、野菜などは生産者から直接購入する方法もあります。最近では飲食店と生産者をつなぐサービスも増えてきているので、直取引がしやすくなっています。
■メリット
- 仲介業者が入らないので安く仕入れられる
- 鮮度が良く、質の高い食材が手に入る
■デメリット
- 小ロットの仕入れに対応できない場合もある
7.通販サイト
インターネットの環境が整っていれば、通販サイトから食材を仕入れることも可能です。効率良く仕入れを行いたいなら、手軽さやスピード感が売りの通販サイトを利用してみましょう。
■メリット
- パソコンやスマートフォンで隙間時間に手軽に仕入れられる
- 見積もりや在庫確認のフローがない
- 小ロット対応可能
- 一定の金額を超えれば送料無料になるサービスを行っている
■デメリット
- 納品される食材の鮮度や質にムラがある
- 値下げ交渉ができない
- 仕入れ金額によっては配送料がかかる
- 欠品が出ることもある
- 在庫の状況によっては大量発注できない
- 実物を確認できないことが多い
- 発注から届くまで時間がかかる場合もある
業務用食材の仕入れは自分の店に合う方法で
業務用食材を仕入れる際は、提供するメニューに使う食材の原価をそれぞれ決め、費用内で購入できる仕入れ先を選ぶことが大切です。コストを抑えつつ質の良い食材を使用するなら、看板メニューに使うメインの食材のみ質にこだわり、他は大量生産品を仕入れるという工夫があっても良いですね。
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