ここ30年ほど、都内をはじめ右肩上がりで増えてきているキッチンカー。現在東京で営業許可を所得しているキッチンカーは3,000台を超えており、人々への認知度も高まっています。多くのライバルに差をつけるためにもメニュー作りは大切です。
ここでは、キッチンカーのメニューを決める際のポイント、売れるメニューにするためのコツやキッチンカーで多いメニューについてご紹介します。
目次
- 開業実績多数!無料キッチンカーセミナー開催中
- キッチンカー(移動販売)のメニューを決めるポイント
- 3Cの観点でジャンルとメニューを考える
- 数は少なく一点集中型のメニューに
- そのメニューは本当にキッチンカーで提供できるのか?
- キッチンカー(移動販売)で売れるメニューにするために
- メニューにわかりやすいアピールポイントを作る
- メニューの写真は美味しそうなものに
- 季節に合わせてメニューを変更する
- キッチンカー(移動販売)で扱いが多いメニュー
- カレーライス
- ピザ
- ケパブ
- たこ焼き
- 焼き鳥などの串モノ
- クレープ
- メロンパン
- 珍しい料理も狙い目
- キッチンカー(移動販売)メニュー被りの打開策
- 競合を避けるか個性を出すかを決める
- 【具体例1】グリーンカレーをドライグリーンカレーに
- 【具体例2】唐揚げをとり天に
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- キッチンカーに関する主な記事
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- キッチンカーの開業相談
- キッチンカーの出店場所をお探しの方
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キッチンカー(移動販売)のメニューを決めるポイント
キッチンカーという特殊な環境での販売では、メニューを決めるにあたっていくつかのポイントがあります。
3Cの観点でジャンルとメニューを考える
メニューを決める際、「この料理を売りたい!」という思いだけでは、なかなかうまくいきません。キッチンカーに限らず、ビジネスを始める際には3Cの観点が役立ちます。
- 顧客:Customer
- 競合:Competitor
- 自社:Company
ジャンルやメニューを考える際は、この3Cを念頭に起きましょう。
- 顧客の観点
飲食店としては当然ではありますが、まずはお客さんのことを考察してみましょう。飲食店において美味しいものを提供することも重要ですが、もっとも重要なのはニーズに合っているものを提供することです。キッチンカーにおいては、その場所に対してどのようなお客様がきて、どのようなメニューに需要がありそうかを考えます。
例:オフィス街におけるランチの場合
想定されるお客さん:周辺オフィスビルで働く会社員 ◯ → ガッツリ系メニューなどランチに食べられるもの ✗ → クレープやアイスなどのおやつのようなもの→お昼ご飯を食べたいという客層とマッチしていない - 競合の観点 競合の場合には、近くで同じようなメニューを販売している飲食店がないかどうか、メニューが被らないか、などの観点から、自分が開業するお店と既にあるお店をどう差別化するのかを考えてみましょう。
- 自社の観点 最後に自社=あなた自身の強みやノウハウをどうメニューに活かせるかも、しっかり考えましょう。今までの経験や自分の得意を生かせるかどうかも競合や顧客と並んで非常に重要な観点です。競合や顧客を意識しすぎるあまり、自分があまり得意でないもの・好きでないものを作っても長続きしづらいため、自分の強みややりたいことであるかという観点も重要なのです。
数は少なく一点集中型のメニューに
キッチンカーは、お客様一人当たりの単価を上げるよりも、回転数を上げる方が売り上げに繋がりやすいです。そのためには、メニューは一点集中型にするのがおすすめです。その理由の一つとして、キッチンカーには広さや冷蔵庫に保存できる量などの制約があるので、多種類の食材を常時積むことが難しいことが挙げられます。また、メニューが増えることで食材の数が増え、仕入れにも時間がかったり、メニューによって調理方法が違うことで、提供時間もかかってしまいます。こうなると、数を多く売ることが難しくなってしまいますよね。そのため、いろいろなメニューに挑戦するよりも、一点集中型のメニューを極めるのが得策といえます。またその際、トッピングや季節や週替りのソース、副菜などの一工夫の変化をつけることで、バリエーションを増やすことができるのでおすすめです。
そのメニューは本当にキッチンカーで提供できるのか?
どんなにこだわりのメニューを考えたとしても、「本当にそのメニューをスムーズに提供できるか?」を最後に考えなくてはいけません。先ほどもお伝えした通り、キッチンカーにはあまり沢山の荷物を積むことができません。特に夏場は冷蔵庫に入れていないと食中毒に繋がるものも出てくるので、一度に多く仕入れすぎても保存ができません。また、そのメニューを作れたとしても、提供するまでに時間がかかりすぎる場合は、回転数が下がるので、収益性が下がってしまいます。これでは本末転倒です。このように、メニューを考える際には、最終的に実際の営業シーンを想定して考えることが大切です。
キッチンカー(移動販売)で売れるメニューにするために
どこの飲食店でも言えることですが、特にメニュー数が限られているキッチンカーでは、いかに売れるメニューにするかという明確な戦略が大事になります。
メニューにわかりやすいアピールポイントを作る
メニュー自体に、目を引きやすいキャッチコピーや、競合と差別化できるようなアピールポイントを作りましょう。まずは、目を引きやすいキャッチコピーで、メニューやお店を覚えてもらうことも大切です。例えば、「〇〇品目の野菜入り」「オーガニック素材使用」「本場〇〇のカレー」など他の店とは違う何かがあることが、集客効果アップにもつながります。ただし、商品登録してあるものや、協会への所属なしでは販売できないものもあるため事前に確認が必要です。
メニューの写真は美味しそうなものに
キッチンカーの場合は、場所を変えれば初めてのお客さんであることがほとんどでしょう。お客さんはどんな味を提供しているか分からないため、写真を見て美味しそうなものを判断するはずです。つまり、よほど名の知れた飲食店で、既に味が知られている店舗でない限り、メニューの写真は集客に影響する大きな要素になります。したがって、メニューの写真は「美味しそう!」「食べたい!」と思ってもらえるよう可能な限り魅力的に撮る必要があります。撮影時は自然の光を使って明るめに。背景と構図も意識し、メインフードにピントを合わせた完璧な一枚を撮りましょう。
季節に合わせてメニューを変更する
キッチンカーは屋外の販売のため、天候の影響をダイレクトに受けます。例えば、軽食のキッチンカーでは、夏に売上の落ちるメニューは減らしてかき氷を追加したり、アイスドリンクも併せて販売したり、臨機応変に季節感を大事したメニューにアレンジすることが収益につながります。また、トッピングやソース、限定メニューを追加することによって集客効果のアップが期待できることもあるのでおすすめです。
キッチンカー(移動販売)で扱いが多いメニュー
キッチンカーで扱われているメニューは、どんなものが多いのでしょうか。扱いが多いメニューとはいえど、そのまま作るのではなく、競合と差別化するためにも一手間加えるなど工夫することをおすすめします。
カレーライス
定番の日本のカレー、本格スパイスを使用したインドカレーやエスニックなタイカレー、欧風、キーマなどさまざまなジャンルがありますが、カレーは不動の人気を誇っています。キッチンオペレーションも比較的シンプルに済み、設備が少なくてすむのもメリットですが、カレーを扱っている人がとても多いのはデメリットといえます。
ピザ
比較的単価が高いメニューですが、ピザの原価は販売価格の10~20%と言われており、原料やトッピングの具材も年間を通して変動が少ないため、コストをコントロールしやすいのがメリット。マルゲリータ、シーフード、ベーコン&ポテト、クアトロフォルマッジ、ジェノベーゼ、ビスマルク、海老マヨ、ポテマヨ、ハワイアン、照り焼きチキン、その他和風ピザなどトッピングを変えれば無数のメニューを考案できます。
ケパブ
トルコのファーストフード「ケパブ」には、肉をぐるぐる回しながら焼くアイキャッチ効果があります。大学生など若い世代に人気ですが、まだ認知度はそれほど高くはないため、集客効果が期待できるのではないでしょうか。トルコアイスは伸びるアイスとしてすでに日本では認可されているため、サイドメニューとしても提供しても。トルコ料理は日本人の舌とも相性が良いようです。
たこ焼き
簡単に食べることが出来てお腹が満たされる、年齢を問わずに人気のメニュー。たこ焼きはキッチンオペレーションも複雑ではなく、焼き機に乗せておくだけでアツアツの状態で提供できます。原価が低くコストパフォーマンスもバッチリ。売れ筋メニューの割には、キッチンカーで販売したいという人が少ないため、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
焼き鳥などの串モノ
焼き鳥などの串モノは、種類が豊富にあることがメリット。幅広い年齢層で人気があり、週末だけでなく平日も売れます。焼き鳥はたいていは一本で頼むことはないため、複数で売れて単価が上がりやすいメニューです。
クレープ
原価が低くコストパフォーマンスが良いのは、粉物を原料としたメニュー。粉物はその日に使えなかったものを常温で保存することもできて、収益性も高いのが魅力です。おかず系クレープとデザート系クレープを販売すれば、時間を問わず販売可能に。クレープの客層は、子どもから50代で、8~9割が女性と客層が分かりやすいのも特徴です。
メロンパン
パンの移動販売は30年ほど前からありましたが、今でも根強い人気を保っています。なかでも特に人気なのはメロンパン。車内に発酵器やオーブンを搭載し、焼き立てを提供する店が人気ですが、実店舗を持つパン屋産が移動販売を行なっていることも。焼きたてのメロンパンの甘い香りと単価の安さから、家族の分まで買う人も多く、まとめ買いで客単価アップを狙えるメニューです。
珍しい料理も狙い目
定番ジャンルやメニューでは、どうしても他のキッチンカーとメニューが被りがちになります。そこで、人目を引きやすいユニークなメニューで攻めるのもおすすめです。「食べたことなかったけど意外と美味しい!」と言う口コミが広まれば、周囲の飲食店との差別化になり、集客にプラスになります。
実際に珍しい料理で差別化が成功した例として、エジプト料理の「コシャリ」があります。日本でいう牛丼やラーメンのような、エジプトの国民食です。そのエジプトの国民食「コシャリ」を、キッチンカーで提供して成功したオーナーのインタビューを以下の記事で紹介しています。よかったら参考にしてみてください。
キッチンカー(移動販売)メニュー被りの打開策
キッチンカーのメニューは、作りやすく原価も抑えられるカレーや唐揚げといったメニューを選びがちです。初めてキッチンカーで営業を始める人ならなおさらでしょう。ただし、選ばれやすいということは競合も多いということ。最後に、メニュー被りの具体的な打開策を提案していきます。
競合を避けるか個性を出すかを決める
他のキッチンカーとメニューが被った場合、別メニューを考案して競合を避けるか、そのメニューの中に個性を出すか決める必要があります。競合を避ける場合は、出店予定エリアの他のキッチンカーがどんなメニューを出しているか調査し、被らないものを選択すると良いでしょう。大きなイベントにいくつか出向いて、実際にどんなメニューが出店されているか見ておくのがおすすめです。個性を出す場合は、ただ単に個性のみを追求すると、見慣れないメニューにお客様がためらってしまうかもしれません。そんな時は「美味しいとわかっているけど、食べたことはない」をコンセプトに考えるのがコツです。
【具体例1】グリーンカレーをドライグリーンカレーに
カレーは誰もが手に取る定番メニューですが、定番であるがゆえに他にはない個性をプラスすることが、メニュー開発には重要です。個性的なメニュー作りには、知っているもの同士を掛け合わせると、知らないものになるという考え方が有効。グリーンカレーやドライカレーは知っていても、それらを組み合わせたドライグリーンカレーは知らないという人が多いのではないでしょうか。グリーンカレーもドライカレーも味は知っているので、美味しいだろうとメニューを見た人は考えるでしょう。でも食べたことはないから食べてみたい、と購買意欲を引き出すことが可能です。またドライカレーにすることで、通常のグリーンカレーより食べやすくなるというメリットも生まれます。
【具体例2】唐揚げをとり天に
唐揚げも、安定の人気を誇る定番メニューです。メニュー被りを防ぐなら、いつでも美味しい唐揚げというメニューに、ここだけの限定感をプラスすると良いでしょう。例として、唐揚げを大分の郷土料理であるとり天にすることを考えてみます。とり天は唐揚げと似ているため、美味しさを想像しやすいメニューです。しかし、また食べたことがない、もしくは食べる機会が少ないものとして唐揚げと差別化が可能。限定感を押し出して購買意欲につなげることができます。また、とり天を作る際は下味をしっかりつけるのがポイントですが、その時にタレを工夫しても個性が出せます。この機会を逃すと買えないかもしれない、と思わせるような工夫をプラスすることが大切です。
キッチンカーの開業でお悩みなら、無料セミナーへ参加がおすすめ
ここまでキッチンカーにおけるメニューの考え方について解説してきました。「誰もが好きな定番を大切にしつつ、個性も加える」わかってはいるけれど、最初は結構難しいことですよね。また、キッチンカーの開業にはメニュー以外にも、営業場所、キッチンカーの手配など、様々なことを考えなくてはいけません。